歯の病気

歯周病

歯周病とは(治療編3)

おはようございます!

酒田市の歯医者、沢田歯科医院の沢田です。

今回も治療編の続きです。

2回目検査の結果、骨の吸収がすでにあると、歯ぐきより上の部分のお掃除だけではポケットが深い部分が残ることがあります。
前回お話したように、歯石は縁上(歯ぐきの上)だけでなく、歯周ポケットの中(縁下)にも歯石は付着します。
そのため、2回目の検査を行っても深い部分が残っている場合は、深い部分に歯石が残っている場合が多く、治療の次のステップに進みます。

5.SRP(スケーリング、ルートプレーニング)

いわゆる「歯石取り」にあたる行為には、歯科の専門用語でいう「スケーリング」と「ルートプレーニング」があります。

スケーリング(scaling)
スケーラーと呼ばれる器具を使用して、主に歯の表面の歯石やバイオフィルム(細菌の塊)を除去する処置。
ルートプレーニング(root planing)
歯周ポケット内部の歯石や歯根表面の汚染されたセメント質を除去し、歯の根(root)を硬く滑らかに(planeに)する処置
ちなみに実際に治療する際には、両者に明確な境界はなく、スケーリングもルートプレーニングも一連の作業として行われます。

頭文字をとってSRPとも略されます。

歯石除去うに使用される「スケーラー」という道具を使って歯石やバイオフィルム(細菌の塊)を落としていきます。
スケーラーにも多くの種類があります。

超音波スケーラー、手用スケーラー、エアースケーラー、ロトソニックスケーラー…などなど。この中でも主に使用されるのは、手用スケーラーと超音波スケーラーです。
ちなみに手用スケーラーも、シックル型・キュレット型・チゼル型・ファイル型と分類されます。これらは歯石の付き具合によって使い分けられます。

歯根面にプラークが付着すると、細菌の内毒素がセメント質に浸透して「汚染セメント質」となります。この汚染セメント質があると、歯石を取り除いても歯肉が歯根の表面にくっつかず、歯周ポケットが改善しにくい状態を生み出してしまいます。
ですから、歯石を取り除いた後はルートプレーニングで汚染セメント質を除去して歯肉の付着を促し、かつ歯根表面をツルツルと滑らかな状態にして、歯垢が溜まりにくい状態にするのです。

このSRPを行う場合は、歯ぐきの中(歯周ポケット部分)を触るため、麻酔が必要になる場合があります。
そのため、基本的には全体的にSRPを行う場合は6回に分けて行います。

このSRPは歯ぐきの中の見えない歯石を取るため時間もかかります。
しかし、しっかりと歯石をとり、今後歯石がつかないように環境を変えていくことは、歯周病の進行を抑えるためにとても大切になります。

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このSRPを行い、普段の歯ブラシもしっかり頑張っていただき、結果をまた検査します。

6.歯周検査
SRP後の検査でポケットが改善されていれば、定期的に来院していただき歯周病の予防をしていただくことが重要です。

次回から、この検査でも深いポケットが残っている場合についてお話します。

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