こんにちは。
沢田です。
今回はセメント質についてお話します。
セメント質は、歯根部の象牙質表面をおおう 薄い硬組織です。
骨と同程度の硬さで エナメル質と比べると柔らかい、黄味を帯びた白色の光沢がない組織です。
このセメント質の組成は、象牙質や骨組織とほとんど同じで、約65パーセントが ハイドロキシアパタイトという無機質からできています。
そして、残りの約23パーセントが 有機質(コラーゲン)です。
セメント質には歯根膜(歯周靱帯)と呼ばれる コラーゲンを主体とした 線維質のものが 束になって入り込んでおり、反対側にある 歯槽骨にも同じように歯根膜が入り込み、歯と歯槽骨をつなぎとめる役割をしています。
また、この歯根膜は クッションの役割も果たしており、歯に加わる 強い咬み合せの力から 歯をまもる働きもあります。
セメント質の栄養は 象牙質や歯髄からではなく、歯根膜から栄養を受けています。
そのため、歯髄が死んでしまったり、抜髄されたりして 歯髄がなくなっても セメント質の機能は障害されず、歯はなんら不自由なく 使うことができます。
このセメント質が「セメント質剥離」という状態になってしまうと、歯を支える周りの骨がなくなってしまうため、最悪の場合、抜歯せざるを得なくなることもあります。
セメント質は歯を支えるのにも大切な組織のひとつです。
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