おはようございます。
沢田です。
今回は虫歯になりやすさに関係する、「虫歯菌の数」についてです。
虫歯菌の代表は「ミュータンスレンサ球菌」です。
お口の中には、健康な状態でも200種類以上の細菌がその数、数十億という単位で生息しています。
その中でもいい菌と悪い菌の割合が問題になります。
悪い菌が比率として多ければ当然虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
細菌の中には虫歯菌や歯周病に悪い影響を及ぼす菌以外にも、影響を及ぼさない細菌が存在し口腔内のバランスを保っています。
そもそも赤ちゃんの口の中には虫歯菌はいませんが、幼児期にどんな細菌を周囲の大人から感染させられるのかで、将来、虫歯や歯周病になりやすいか、そうでないのかが決定します。
お口の中の細菌叢は一人一人異なり、悪い菌の比率も個人個人で異なります。
虫歯菌の代表であるミュータンスレンサ球菌は、赤ちゃんのうちは口腔内に存在しません。
歯が萌出して離乳食が始まると、周囲の大人(ご両親やおじいさんおばあさん)が自分が使用した箸やスプーンを使ってお子さんに食べさせたり、噛み与えをすることで感染してしまうのです。
この時期(3歳くらいまで)に感染する機会がなければ、それ以後は感染する可能性はかなり低くなりその後の予防が楽になります。
このいい菌と悪い菌のバランス(専門的には口腔内細菌叢といいます)は、椅子取りゲームのようなもので、最初にいい菌がたくさん定着すると悪い菌が定着しずらくなるという構図があり、もちろん逆もあります。
また完成された細菌叢のバランスは容易にくずれることはなく、後からミュータンスレンサ球菌が進入してきたとしても定着することは少なく、ヒトが固有の口腔内細菌叢を獲得する時期は感染の窓と言われる生後1歳7か月から2歳7か月ですので、この間にそれぞれの口腔内細菌叢のパターンが形成されます。
したがって、お口の中の悪い菌であるミュータンスレンサ球菌の割合はこの時期に決定されるのです。
この生後1歳7か月から2歳7か月までの間、悪い菌の感染を防ぐことができれば、お子様を虫歯の危険からかなりの確率で守れるということになります。
そのため、妊産婦のお母さんはお口の中を清潔に保ち、お母さん自身の口腔内細菌叢の改善をしておくこと、また大人が使ったスプーンやお箸を共有しないこと、が大変重要なのです。
この虫歯菌の数が平均より多いのか少ないのか、というものも「細菌検査」というもので判断できるため、ご興味があれば一度ご相談ください。
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