おはようございます!
沢田です。
前回までは、歯のそれぞれの働きについて書きました。
今回は「歯の構造」についてお話します。
歯は、「歯冠」と「歯根」のふたつの部位に大きく分けられます。
「歯冠」とは歯ぐきから上に出ている部分のことです。「歯根」は、歯ぐきの中の、骨に埋まっている部分のことを指します。
また、歯は下の図のようにいくつもの組織から成り立っています。
「エナメル質」
歯冠の表面部をエナメル質と言います。
エナメル質は、人体で最も硬い組織であり、様々な刺激から歯の神経を守る役割をします。
エナメル質は小さな虫歯ができても症状なく経過することが多いです。
「象牙質(ぞうげしつ)」
エナメル質の内側にある組織であり、歯冠から歯根まで歯の大部分を占めています。
エナメル質よりも柔らかい組織であるため、虫歯が象牙質まで進むと、進行が早くなります。
また、象牙質に刺激が加わると痛みを感じるようになります。
「歯髄(しずい)」
象牙質の内側で歯の中心部にある組織です。
「歯の神経」とよく表現される部分です。
この中には、血管、リンパ管、神経線維などがあり、歯の痛みを感じるのは主にこの歯髄です。
歯に栄養を与えてたり、象牙質の形成をする役割があります。
「歯の神経を抜く」というのは、この「歯髄」を取り除くことをいいます。
神経をとる処置をすると歯の寿命は短くなるため、可能な限り神経をとらないように、
象牙質まで進んでしまった虫歯は早めの治療をしたほうがいいと考えられています。
「セメント質」
歯の歯根の表面を覆い、歯根膜線維がくっつく部分をセメント質といいます。
セメント質は、歯根面の大部分を覆っており、無機質で主成分であるハイドロキシアパタイトが約60%、その他に有機物が25%、そして15%の水で構成されています。
「歯根膜(しこんまく)」
歯と歯を支えている骨の間には、「歯根膜」という組織があります。
この中には強い歯根膜繊維が存在し、この繊維の両端はしっかりと歯と歯槽骨に入り込んで両者をつなげています。
歯がこの骨から抜けないのは、この繊維のおかげです。
また、この膜は歯に加わる力に対するクッションの役目も担っており、脳の神経で最大の三叉神経の枝が多く分布しています。
噛んだときに歯根膜に加わった力は、この神経を伝わり脳に伝わります。
すなわち口腔と脳をつなぐセンサーです。
歯根膜からのセンサーは、脳の中で意欲、思考、記憶などに関係する部分に伝わり、脳を刺激することがわかっています。
「歯肉(しにく)」
歯冠の下にあるピンク色の粘膜で、一般的に「歯ぐき」と呼ばれる部位です。
歯肉は、顎の骨を覆うことで保護する役割があります。
歯肉にも、遊離歯肉、付着歯肉など分類されています。詳しくはまた後日書かせていただきます。
「歯槽骨(しそうこつ)」
歯を支えている顎の骨のことです。
歯周病が進行すると、この歯槽骨が破壊されるために歯を支えることができなくなり、歯が抜けてしまうことがあります。
このように、歯はとても複雑な構造をしています。
次回から少し詳しくお話していきますね。
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