歯の病気

歯周病

歯周病の原因(細菌編)

おはようございます!

酒田市の歯科医院、沢田歯科医院の沢田です。

前回、プラークには1mgの中に10億を超える細菌が棲みついている、とお話しました。
では、どんな種類の細菌がいるのでしょうか?

歯周病に関わっている細菌はたくさんいます。
その中で代表的なものは3種類です。

この「Red Complex」に入っている、

P.g.菌(Porphyromonas gingivalis)
T.f.菌(Tannerella forsythensis)
Td.菌(Treponema denticola)

です。

この中の、P.g菌が特に歯周病に大きく関わっています。
P.g菌は 偏性嫌気性菌 という種類で、酸素を嫌います。

以前もお話したように、虫歯の原因菌、ミュータンス菌は母子感染であることがわかっています。
しかし、P,g菌はどこから感染するのか、まだわかっていません。

この菌に感染したとしても、この菌は、細々と弱々しく生きています。
体に害を与えることもあまりありません。

ところが、お口の中が不潔になりミュータンス菌が歯に付着し始めるとプラークを形成し、
ある量に達すると、歯に接している歯肉に炎症が起こり、歯肉の内面に潰瘍(傷のようなものです)が形成され、血が出るようになります。
すると、餌を得たP,g菌は数百倍から数万倍までに増殖します。

そして、骨を破壊し歯周ポケットという歯と歯肉の間の溝をどんどん深くしていきます。
その溝が4mm以上になると、溝の深いところは酸素が減っていき、P.g菌の働きはますます活発になります。

一方、身体もP.g菌を攻撃し排除します。
しかしその結果、自らの歯の周りの骨を溶かしてしまうことになります。

これが歯周病です。

歯周病の予防は、
プラークを早めに除去し、
P.g菌に血液という餌を与えず、
酸素のない環境をなくす=歯周ポケットの深いところを減らしていく

ということが大切になります。

P.g菌などの細菌が0になることはありません。
歯周病は症状なく経過するため、自分のお口の中がどんな状態なのか、
P.g菌の増えやすい環境ではないか、
定期的に来院していただき、予防していくことが大切です。

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