おはようございます!
酒田の歯医者、沢田歯科医院の沢田です。
前回は妊婦さんが歯周病になりやすいことはお話しました。
今回は歯周病が妊婦さんへ与える影響についてお話します。
「妊婦の方が歯周病にかかると、早産や低体重児出産のリスクが高まる」と言われています。
早産とは、妊娠36週6日以前の出産をいいます。
正期産に比較して早期に出産した場合、赤ちゃんの体重は軽く、新生児医療を必要とすることもしばしばあります。
また、あまりに小さく産まれた赤ちゃんには重篤な障害が現れる可能性があり、できるだけ早産にならないよう、適切な診断や予防が必要になります。
一方、低体重児とは、生まれたときの体重が2,500g未満の赤ちゃんのことです。
早産によって低体重児出産になることもありますが、妊娠期間が十分でも、子宮内胎児発育不全などの影響で、赤ちゃんが十分成長しないまま出産を迎える場合もあります。
早産や低体重児出産には前置胎盤や子宮頚管無力症、高齢出産など母胎が抱える疾患や問題が影響していることがわかっています。
また、細菌性膣炎などの感染症が原因となるケースも見られます。
さらに、母親の喫煙や飲酒といった生活習慣や疲労・ストレスなども無関係ではないようです。
妊娠している女性が何らかの歯周病にかかっている場合、早産や低体重児出産のリスクはなんと7倍にも跳ね上がると発表されている論文もあります。
これは喫煙や飲酒、高齢出産などよりもはるかに高い数値です。
歯周病と早産・低体重児出産とのあいだにどのような関連性があるのか、そのメカニズムはまだ完全に解明されたわけではありません。
しかし、歯周病菌によって口腔内で炎症が発生する際、サイトカインや、白血球の活性化、プロスタグランジンなど痛みによって生じる炎症性物質が多く放出され、それによって陣痛が早くなり、結果的に早産や低体重児出産が増えるのではないかという考え方が有力です。
また、胎盤などの出産に関わる器官が歯周病原細菌に感染することも、早産・低体重児出産に影響するのではないかと考えられています。
患者さんご自身だけでなく、赤ちゃんの将来のためにも、普段から歯周病のケアをし、予防していきましょう。
わからないことなどあれば、いつでも来院してください。
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